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原木の丸太からバイオマス発電、工業団地で1万世帯分の電力を作る自然エネルギー(2/2 ページ)

森林が広がる茨城県北部の工業団地で木質バイオマス発電所が運転を開始した。隣接地に木質チップの製造工場を併設して、地域で発生する用途のない木材を丸太のまま調達して燃料を供給することができる。年間に8万5000トンにのぼる原木を使って1万世帯分の電力を作り出す。

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年間の売電収入は10億円を超える

 発電した電力は全量を固定価格買取制度で売電する。未利用木材によるバイオマス発電の買取価格は1kWhあたり32円(税抜き、発電能力2MW以上の場合)になる。年間の売電収入は10億円を超える見込みだ。発電所の建設費は30億円で、チップ製造工場の建設には13億円かかっている。

 発電所の構内には大型のサイロを備えていて、トラックで搬入した木質チップを大量に貯蔵することができる(図4)。燃料になる木質チップはサイロからコンベヤを通じてボイラーに投入して、燃焼した熱で蒸気を発生してタービン発電機を回転させる方式だ。


図4 木質バイオマス発電の流れ(画像をクリックすると拡大して全体を表示)。出典:日立造船

 バイオマス発電の場合には発電能力の大きさや燃料の種類によってボイラーを選択する必要がある。宮の郷木質バイオマス発電所では「気泡型流動層ボイラー」を採用した。発電能力が10MW程度まで対応できる方式で、木質チップをそのまま燃料として投入することが可能だ。このほかに生ごみなどを燃料に利用できる「ストーカボイラー」や、10MW以上の発電にも対応できる「循環流動層ボイラー」がある。

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