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ごみで発電した電力を小売に、創業134年目の日立造船が新規参入:電力供給サービス
電力小売の全面自由化に向けて活発な動きが進むなか、日立造船が主力事業のごみ焼却発電プラントの電力を活用して小売市場に参入する。ごみ焼却発電の電力は再生可能エネルギーとして認められている。さらに木質バイオマスや太陽光発電も拡大して再生可能エネルギーの販売量を増やしていく。
1881年(明治14年)に創業した日立造船の現在の主力事業は環境・プラント分野で、年間売上の半分以上を占めている。特にごみ焼却プラントは世界でもトップクラスの実績を誇り、国内では約200カ所の清掃工場に納入してきた。その中で発電設備を併設する施設も多く、大量の電力を供給する能力がある(図1)。
日立造船は自社で手がけたごみ焼却発電プラントから電力を調達して小売市場に参入する。すでに新電力(特定規模電気事業者)の登録を済ませて、2015年4月から公共施設などを対象に電力を販売する計画だ。ごみ焼却発電プラントが稼働する同じ地域で電力を販売することにより、エネルギーの地産地消を推進する。
日立造船はごみ焼却施設の遠隔監視・運営支援システムを独自に開発して24時間体制の遠隔監視サービスも実施している(図2)。さらにビッグデータの手法を取り入れた最適運転管理システムを日本IBMと開発中で、燃焼状態をコントロールしながら発電量の最大化を図る。ごみ焼却施設の自動運転を続けながら発電量を増やすことが可能になり、小売事業の拡大にもつながる。
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