最安の電気料金プランを選ぶ、太陽光発電と蓄電池も加えて比較診断:エネルギー管理(2/2 ページ)
各家庭の電力使用量をもとに最適な料金プランを提案する比較サービスが続々と登場してきた。全国規模の地図情報サービスを展開する国際航業は地域別の電力需要や天候情報をもとに、太陽光発電と蓄電池の充放電を組み合わせて最も得する料金プランを比較するサービスに乗り出す。
小売電気事業者にはレンタルサービスも
新サービスでは過去の日射量のデータをもとに1時間ごとの余剰電力量を予測したうえで、蓄電池の充電・放電時間を変えながら、年間の電気料金が最も安くなるパターンを比較していく。蓄電池は事前に登録したメーカーの型番から選択して、充電時間と放電時間を3通りに分けて年間の電気料金を表示することができる(図4)。
住宅メーカーや電気機器メーカーが顧客の家庭にサービスとしてレポートを提供するほか、新たに太陽光発電や蓄電池システム、HEMS(家庭向けエネルギー管理システム)を提案する時にも利用する。数多くの施設を運営する自治体やチェーンストアからも引き合いが来ている。サービスの利用料金は非公開だが、年間の基本料金と施設数に応じた従量料金で決まる仕組みだ。
電気料金プランを比較するサービスの中では、家庭の利用者を対象にウェブサイトで提供するタイプが多い。エネチェンジが2014年8月に家庭向けの電気料金プラン診断サービスを開始したほか、インターネットを使って購買支援サービスを展開するカカクコムも2015年8月に同様のサービスに乗り出している。
これに対して国際航業は全国の地図や施設に関するデータを生かした地理空間情報サービスの強みを発揮する考えだ。電気料金プランの比較診断サービスの対象は自治体を含む法人に限定する。さらに小売電気事業者には比較診断システムの機能を貸し出すサービスも提供していく。この機能を使うと、小売電気事業者が自社のウェブサイトで料金プランの比較サービスを実施することができる。
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