連載
サイバー攻撃からスマートメーターシステムをどう守るのか:「電力」に迫るサイバーテロの危機(5)(2/4 ページ)
電力自由化やスマートメーター普及など、より効率的な電力供給が進む一方、「サイバーセキュリティ」が電力システムの重要課題になりつつある。本連載では、先行する海外の取り組みを参考にしながら、電力システムにおけるサイバーセキュリティに何が必要かということを解説する。第5回は、スマートメーターシステムのセキュリティ対策例について紹介する。
片方向でつながるスマートメーター
また、中央システムをより詳しく示したのが、図2である。中央システム内では、スマートメーターのデータ通信および通信制御を行うシステム(Head-end)やメーターデータを管理するシステム(MDMS : Meter Data Management System)および、暗号鍵管理システム(Key Management System)によって、スマートメーターからセキュアに収集し、管理しているメーターデータを、電力使用顧客が参照できるWebサイト(Customer Portal)に提供している。
ここで興味深いのは、点線で囲った通信の矢印(→)の向きである。他の通信が全て双方向なのに対して、スマートメーターとつながっているシステムと、インターネットにつながっている外部システムとの間の通信は、片方向(Unidirectional)とすることが規定されている。この要件によって、インターネットを経由した外部からのスマートメーターシステムへの侵入を防いでいる。このような通信を物理的に実現するソリューションとして、片方向ゲートウェイが知られている※3)。
※3)片方向ゲートウェイの例
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