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太陽電池を作ると同時に自ら使う、年間5700MWhを節電するパネル工場:太陽光(2/2 ページ)
京セラは太陽電池セルを生産する「滋賀野洲工場」において、工場屋根スペースへの太陽光発電システムの設置や、製造設備の省エネ化、未利用エネルギーの活用といった省エネ活動に取り組んでいる。これにより年間5659MWhの使用電力量と約4388トンのCO2を削減しているという。
年間約5659MWhの使用電力量と約4388トンのCO2を削減
滋賀野洲工場における低炭素社会の貢献としては、工場の屋根スペースでの太陽光発電システムの設置に加えて、工場内での冷却用の冷凍機、空気圧縮機の台数制御とボイラーの小型化による運転効率の改善、シリコン鋳造炉の断熱強化による高効率化での省エネを実施している(図3)。
また、太陽電池セル製造工程や、空気圧縮機からの排熱を温水や純水製造設備の熱源として利用するなど、エネルギーの再利用も推進中だ。これらの取り組みにより、年間約5659MWh(メガワット時)の使用電力量と、約4388トンのCO2削減を実現した。
この他に地球環境保護への貢献活動も実施。地元の小学校に出向き、子どもたちに、太陽電池を教材に未来の環境を考える機会を提供する環境出前授業の開催や、国際湖沼環境委員会を通じてアジアアフリカ地域の将来の環境政策を担う若手技術者へ太陽電池の製造方法、設置事例紹介や排水処理方法などを知ってもらう機会を提供している。
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