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マグネシウム電池を家庭向け販売、サイズを半分に:蓄電・発電技術(2/2 ページ)
非常時にスマートフォン用の電源がない。このような事態に備える電池「MgBOX slim」が登場した。封を切り、水を注ぐだけでUSB端子から充電できる。あらかじめ充電する必要はなく、長期保存が可能だ。
充電はできない
MgBOX slim(MgBOX)は、難燃性金属マグネシウムと空気中の酸素、注入した水が化学反応することで電力を生み出す。使用後は負極のマグネシウムが全て水酸化マグネシウムに変化する。正極は炭素シートであり、炭素シートを経由して酸素が水に溶け込むことで動作する(図3)。
このような仕組みを採るため、MgBOX slimは充電できない一次電池として機能する。そのかわり、あらかじめ充電しておく必要がなく、封をした状態で長期間保存できる。保証期間は5年間だ。
「MgBOX同様、廃棄が容易となるように紙製容器を利用しており、非常時に使った後、処分に困ることはない」(凸版印刷)。一般ごみとして廃棄できるという。
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