2020年までに1万カ所導入、IoTによるエネマネサービス:エネルギー管理
NTTデータとSassorは、エネルギーマネジメントサービス分野で協業することを発表した。IoTを活用した電力の監視・分析サービスを提供し、2020年までに1万拠点への導入を目指すという。
今回の協業は、NTTデータが提供する電力事業者向けアプリケーションプラットフォーム「ECONO-CREA(エコノクレア)」とSassor(サッソー)のIoTアプリケーションおよびサービスを連携し、エネルギーマネジメントサービス(EMS)を提供することを目的としたものだ。
Sassorはインターネットプロダクトのデザインや開発・販売を行うベンチャー企業で2010年設立。2015年9月にNTTデータが開催した「第2回 豊洲の港から オープンイノベーションコンテスト」の「電力×異業種の新サービス創出に関する協業」において、優秀賞を受賞。その後、事業化に向けた協議を進め、今回の協業につながった。
第1弾として、2016年1月より、SassorのIoTアプリケーションサービス「Energy Literacy Platform(以下、ELP)」を、ECONO-CREAのアプリケーションに追加し、提供を開始する。
ELPはセンサーを活用し個々の電気製品がどれだけの電力を消費しているのか、リアルタイムで把握し、電気の消費量を見える化・分析するソリューション。主に中小規模の施設向けに提供しており、工事不要で手軽に業務改善をサポートする(図1)。
ECONO-CREAは、電力データや分電盤データなどのIoTデータなど、仕様の異なるさまざまなデータを一元的に収集・保管・マイニングを行うプラットフォーム。サービスプロバイダーにAPI提供を可能としており、サービスプロバイダーは同プラットフォームを活用することでさまざまなデータ活用サービスを提供できるようになる。
NTTデータでは、このECONO-CREAをプラットフォームとして、電力小売完全自由化に対する横断的なサービス展開を進めていく方針を示している(図2)。
分析サービスなども展開
第1弾では、相互接続を実施するだけだが、今後、蓄積したデータを用い、NTTデータが持つ業種ごとの特性を踏まえたデータ分析ノウハウと、Sassorが持つ電力データや各種IoTセンサーデータの分析ノウハウなどを組み合わせた分析サービスを展開する計画としている。
顧客・業種ごとの特性を踏まえた分析ノウハウと電力消費量を掛け合わせることで、さまざまな業種の企業やエンドユーザーにより適切な分析を行い、経済性や環境を考慮した高付加価値なサービスが提供可能とする。
これらのサービスは主に、電力小売自由化対象となる中小規模の施設・店舗を運営する飲食業、小売業を中心として提供する予定。さらには銀行や地方自治体、電力事業者とそのエンドユーザーである家庭なども対象に含めていくという。NTTデータとSassorは、これらの連携サービスについて、2020年までに1万拠点への導入を目指すとしている。
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