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東燃ゼネラル石油の電力小売料金、3〜6%東電価格より安いメニューを設定:電気料金の新プラン検証シリーズ(3)(2/2 ページ)
東燃ゼネラル石油は2016年4月から全面自由化される電力小売事業において、家庭用を含む低圧市場における料金プランを発表した。既存の電力会社との料金比較において、推計で戸建住宅では年間1万円、店舗兼住宅で年間1万8000円程度の割引につながるプランなどを用意している。
低圧電力は東電の現行価格を踏襲
積極的な価格戦略が目立った従量電灯向けの料金プランに対し、手堅い料金プランを用意したのが、低圧電力向けである。東京電力では2016年6月1日から低圧電力を値上げするが、myでんきでは現行の価格体系に合わせた料金プランとしており、値上げ後もこの価格帯を維持することで“お得感”を生み出す方針だ(図4)(図5)(図6)。
同社の推計では、家族2人でマンションに住んでいる世帯の場合、40A契約で電力使用量が月に310kWh(キロワット時)だとすると、myでんきに切り替えれば年間約5000円の割引になるとしている。また戸建で4人家族として、60A契約の月の電力使用量が480kWhだとすると約1万円の割引になるという。
電力の発電から小売までをカバー
同社では電力の小売事業だけでなく発電事業にも積極的に取り組み、電力事業を新たな柱として成長させたい考えだ。静岡県清水市の清水天然ガス発電所(仮称)、千葉県市原市の市原火力発電所など、将来の発電所開発を推進(関連記事)。電力販売事業と電源開発事業を組み合わせた形で電力事業を進めていく方針だ。
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