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ITを活用したエネルギー管理市場は3812億円に、HEMSが飛躍的に成長:エネルギー管理(2/2 ページ)
調査機関のミック経済研究所は、日本国内におけるエネルギーマネジメントシステム(EMS)ソリューション市場について調査を行い、その結果概要について公表した。2015年度の国内市場規模は前年度比5.3%増の3812億円規模に拡大している。
前年比21.5%の成長に
2014年度比で21.5%の成長と、最も大きく市場が拡大したのがHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメントシステム)などの戸建・集合住宅向けEMSソリューション市場だ。2015年度の戸建住宅向け市場は約119億、集合住宅向けが約44.5億で、合計した市場規模は約163.4億円と推定している。
戸建住宅用EMSの拡大については、ほぼ新築時における導入が支えているという。大手ハウスメーカーを中心に、新築の戸建住宅にHEMSを積極的に導入するトレンドが大きく影響した。集合住宅向けについては、既設・新設を問わずにEMSの利用が進んでいるが、割合としては既設物件における導入数が多いという。環境共創イニシアチブの調査によれば、2014年3月時点における補助金を活用した集合住宅へのEMSの導入割合は、新設が28.6%、既設が71.4%という結果が出ている。
なお、今回の調査では住宅用太陽光発電システムの導入を動機としたEMSの導入需要は一巡したとしている。その一方で、2016年4月から電力の小売全面自由化が始まる。これに伴い住宅における効率的なエネルギー管理需要の高まりや、節電によるインセンティブの付与、HEMSを活用した見守りサービスなどの展開が進むこと考えらるため、住宅におけるHEMS需要は今後もさらに拡大していくと予測している。
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