電力と通信で年間8万円割引、ソフトバンクが電力市場で目指すもの：電気料金の新プラン検証シリーズ（7）（3/4 ページ）

東京電力との提携で2016年4月から電力小売市場に参入するソフトバンクは、料金プランを発表した。基本的には東京電力の新料金プランを踏襲しているが、独自のセット割引「おうち割」を最大の特徴として打ち出す。

[三島一孝，スマートジャパン]

「おうち割」はでんきセットと光セットの2プラン

　「おうち割」では当面2つのプランを用意する。1つ目が「おうち割　でんきセット」だ。「ソフトバンクでんき」とソフトバンクの携帯電話および「Softbank　光」などの固定通信サービスをセットで契約した場合に最大で2年間、ソフトバンク携帯電話および固定通信サービスの利用料金を割り引くサービスだ。

　割引額はスタンダードプランでは月々100円、バリュープランでは200円、プレミアムプランでは300円となっている。対象となる携帯電話の料金プランはスマ放題とスマ放題ライト、ホワイトプランで、固定通信サービスは、Softbank　光、Softbank Air、Yahoo! BB ADSL、Yahoo! BB バリュープラン、Softbank ブロードバンド ADSLとなっている。ただ、家族で複数の携帯電話を契約している場合、割引となるのは1回線のみだとしている（図8）。

図8 「おうち割　でんきプラン」の割引イメージ　出典：ソフトバンク

　一方、従来スマートフォンなどの携帯電話契約と固定通信サービスを組み合わせて契約した際の値引きサービスである「スマート値引き」を改称したのが「おうち割　光セット」である。ソフトバンクの携帯電話と固定通信サービスを利用し「おうち割」に申し込むと2年間、携帯電話の利用料金から最大で月々2000円の割引を行う。3年目以降は、固定通信サービスの条件にもよるが、最大で1008円の割引を行うとしている。これにより、戸建3人家族を想定した場合、最大で8万920円の割引となるケースなどもあるという（図9）。

図9 「おうち割　光プラン」と「でんきプラン」を組み合わせた割引イメージ　出典：ソフトバンク

家庭の困りごとサービスを無料で

　さらに「おうち割」では、水漏れやカギの紛失、ガラスの破損など、家庭の困りごとに対して駆け付け、修理などを行う「おうちレスキュー」特典も2年間利用可能とする。作業によっては部品代や特殊作業代、延長料金などが発生する場合があるが、基本的には出張料・作業料は無料で行うという。同特典は「おうち割　光プラン」と「おうち割　でんきプラン」の利用者を対象としているが、「おうち割　光プラン」のユーザーについては2016年3月末までの受付だとしているという。

　同特典や割引サービスも含めて、電気小売事業への参入企業の、新たな電気料金プランや特典、割引などについては携帯電話と同様「2年」の条件付きのものが多くなっていることには注意が必要だ。