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洋上風力発電の実用化を着床式で加速、国の助成先が4地域の港に自然エネルギー(4/4 ページ)

未来に向けて期待がかかる洋上風力発電のうち、実用化が早い着床式の開発プロジェクトを国が支援する。新たに北海道と秋田県の港で進行中のプロジェクトに助成金を交付することが決まった。すでに確定している青森県と茨城県の案件に加えて4地域で開発を促進していく。

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青森県と茨城県では2018年に運転開始へ

 すでに助成対象になっている青森県むつ小川原港は太平洋側にある。原子力関連施設で有名な六ヶ所村(ろっかしょむら)の沿岸部に立地する。この港をはさんで沖合の2つの区域に、最大で40基の風車を設置して80MWの電力を供給する計画だ(図7)。


図7 むつ小川原港の全景(上)、洋上風力発電所の建設予定区域(下)。出典:国土交通省、むつ小川原洋上風力開発

 現在は環境影響評価の第3段階にあたる準備書の手続きに入っている。計画では2016年内に着工して、2018年に運転を開始する予定だ。このプロジェクトは青森県が事業者を公募して推進した。特定目的会社の「むつ小川原港洋上風力開発」が事業者に選ばれて開発にあたる。

 2013年度に助成対象の第1号になった茨城県・鹿島港沖の開発プロジェクトでは、4段階の環境影響評価の手続きを完了して建設作業に着手した。発電能力が5MWの大型風車20基を設置する計画で、合計100MWの発電設備が2018年の初めには稼働する見通しだ(図8)。


図8 鹿島港の沖合に建設する「メガサイト鹿島」の完成イメージ(上)、洋上風力発電所の建設予定区域(下)。出典:小松崎都市開発、茨城県土木部

 設備利用率を28%と想定して、年間の発電量は2億4500万kWhを見込んでいる。一般家庭の電力使用量(年間3600kWh)に換算して6万8000世帯分に相当する。事業者は特定目的会社の「ウィンド・パワー・エナジー」である。周辺地域で風力発電事業を手がけるウィンド・パワー・グループが設立して、ソフトバンクグループのSBエナジーとオリックスが出資している。

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