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単体の安さで家庭用電力小売に挑むミツウロコ、120kWh以上を主戦場に電気料金の新プラン検証シリーズ(19)(2/3 ページ)

ミツウロコは子会社であるミツウロコグリーンエネルギーを通じ、2016年4月から全面自由化される電力小売事業において、家庭用を含む低圧市場で電力販売を行うことを発表した。東京電力などの主要電力会社に比べて120kWh以上の価格を安くしていることが特徴である。

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ミツウロコグリーンエネルギーの料金プラン

 ミツウロコグリーンエネルギーの電気料金の特徴が「120kWh以上での安さ」である。2016年1月に入り電力小売全面自由化に向けた新料金プランの発表が相次いでいる(関連連載)が、主要各社が狙いを定めているのが「電力使用量の多い家庭」である。そのため、電力使用量の少ない家庭向けの電力はそれほど値引きをせず、電力使用量の多い家庭に対しては値引き率を大きくするというような料金プランを取る企業がほとんどだ。

 ミツウロコグリーンエネルギーが提案する電気料金プランも同様である。120kWh以上では電気料金単体を見た場合、トップクラスの安さを実現している。電力料金プランやセット割引、ポイントなどを加えると、さらに安いケースなども見受けられるが、使用量の大きな家庭にシンプルに安く電気を提供するということを特徴にしたといえる。

東北電力管内の電力プラン

 東北電力管内のミツウロコグリーンエネルギーの電力プランは、基本料金については東北電力の従量電灯Bプランと全く同じである。電力量料金については、最初の120kWhまでが1kWh当たり20.24円となっており、これは東北電力の18.24円と比べ1kWh当たり2円高い。一方で120〜300kWhについては1kWh当たり22.80円となっており、東北電力の24.87円と比べて2.07円安い。つまり月の使用料金が236kWh以上の家庭であれば、ミツウロコの電力料金はお得になるということがいえる(関連記事)。

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図2 ミツウロコグリーンエネルギーの東北電力管内の電力料金 出典:ミツウロコグリーンエネルギー

東京電力管内の電力プラン

 東京電力管内のミツウロコグリーンエネルギーの電力プランは、基本料金については東京電力の従量電灯Bプラン、もしくは新プランのスタンダードSプランと全く同じである。電力量料金については最初の120kWhまでが1kWh当たり21.43円となっており、これは東京電力の従量電灯Bプランにおける19.43円よりも2円高い。一方で120〜300kWhまでは1kWh当たり22.63円となっており、これは東京電力の従量電灯Bプランに比べて3.28円安い。つまり月の使用料金が194kWh以上の家庭であれば、ミツウロコの電力料金はお得だということになるだろう。

 一方で、東京電力が新たに発表したスタンダードSプランと比較した場合、同プランの電力量料金は300kWhまでが23.4円、300kWh以上が30.02円であるので、全領域でミツウロコグリーンエネルギーの方が安くなるといえる(関連記事)。

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図3 ミツウロコグリーンエネルギーの東京電力管内の電力料金 出典:ミツウロコグリーンエネルギー

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