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単体の安さで家庭用電力小売に挑むミツウロコ、120kWh以上を主戦場に:電気料金の新プラン検証シリーズ(19)(3/3 ページ)
ミツウロコは子会社であるミツウロコグリーンエネルギーを通じ、2016年4月から全面自由化される電力小売事業において、家庭用を含む低圧市場で電力販売を行うことを発表した。東京電力などの主要電力会社に比べて120kWh以上の価格を安くしていることが特徴である。
中部電力管内の電力プラン
中部電力管内のミツウロコグリーンエネルギーの電力プランは、基本料金については中部電力の従量電灯Bプランや新料金プランと全く同じである。電力量料金については、最初の120kWhまでが1kWh当たり22.68円となっており、これは中部電力の従量電灯Bや新プランと比べた場合1kWh当たり2円高い。一方で120〜300kWhについては1kWh当たり22.97円となっており、中部電力の25.08円と比べて2.11円安い。つまり月の使用料金が234kWh以上の家庭であれば、ミツウロコの電力料金はお得になるということがいえる(関連記事)。
関西電力管内の電力プラン
関西電力管内のミツウロコグリーンエネルギーの電力プランは、15kWhまでの最低料金については関西電力の従量電灯Aプランと全く同じである。電力量料金については、15〜120kWhまでが1kWh当たり24.83円となっており、これは関西電力の22.83円と比べ1kWh当たり2円高い。一方で120〜300kWhについては1kWh当たり26.82円となっており、関西電力の29.26円と比べて2.44円安い。つまり月の使用料金が219kWh以上の家庭であれば、ミツウロコの電力料金はお得になるということがいえる(関連記事)。
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