ダムは太陽光発電にも向いている、兵庫県の2カ所でメガソーラー稼働:自然エネルギー(2/2 ページ)
再生可能エネルギーの導入を積極的に進める兵庫県がダムの南向きの斜面を利用してメガソーラーを建設した。2カ所のダムで相次いで発電を開始して、合わせて2000世帯分の電力を供給する。南向きの斜面では太陽光パネルの間隔を狭くして数多く設置できるメリットがある。
太陽光パネルの設置密度は平地の1.2倍
兵庫県の南部には中国山地から瀬戸内海へ南に向かって川が流れるため、ダムの斜面も南向きが多く、太陽光発電に適している。これまでに加古川市の「権現(ごんげん)第1ダム」の斜面にメガソーラーを建設して2014年11月から運転中だ(図4)。ダムの斜面で稼働した国内初のメガソーラーである。
このダムの斜面は22度に傾いていて、平坦な場所と比べて太陽光パネルの設置密度は1.2倍になっている。1万9000平方メートルの斜面に6900枚の太陽光パネルを設置することができた。発電能力は1.8MWで、年間の発電量は190万kWhの想定だ。
新たに2カ所のダムの斜面でもメガソーラーが稼働したことにより、兵庫県の企業庁が運営する太陽光発電所は12カ所に拡大した(図5)。いずれも企業庁が所有する施設や土地を活用したもので、日射量が豊富な南部に集中している。12カ所の合計で発電能力は29.6MWになり、年間の発電量は1万世帯分に近づいてきた。売電収入も年間に10億円を超える規模になる。
一方で千葉県ではダムの水面に世界最大の水上式メガソーラーを建設するプロジェクトが始まっている(図6)。18万平方メートルの水面に5万1000枚の太陽光パネルを浮かべて、発電能力は13.4MWに達する。
ダムの水面は斜面よりも広いため、大規模なメガソーラーを建設する場所として有望だ。今後は全国のダムで水面と斜面の両方にメガソーラーが広がっていく。さらに水力発電と組み合わせれば、天候の影響を受けにくいハイブリッド型の発電設備を展開することも可能になる。
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