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水素で走る「燃料電池バイク」を公道へ、国交省が世界初の安全基準を策定:電気自動車(2/2 ページ)
次世代エコカーとして注目が集まる燃料電池車。世界の中でも日本企業が強みとしている領域だが、それは四輪だけでなく二輪も同様だ。複数の国内メーカーが水素で走る“燃料電池バイク”の開発を進めている状況を受け、国土交通省は世界に先駆けて燃料電池二輪自動車の安全基準を策定した。
実用化へ“スタンバイ状態”の日本メーカー
日本の自動車メーカーの中でも積極的に燃料電池二輪の開発を進めている1社がスズキだ。同社のスクーター「BURGMAN(バーグマン)」シリーズの燃料電池二輪として、「BURGMAN Fuel Cell Scooter」を開発している(図2・3)。
BURGMAN Fuel Cell Scooterはは空冷式の燃料電池を搭載し、航続距離は約350キロメートル。700気圧の高圧水素タンクを搭載し、燃料電池ユニットは2011年に燃料電池システムを開発・製造する合弁会社を設立した、英国のインテリジェントエナジー社製を採用している。
スズキはBURGMAN Fuel Cell Scooterについて、2010年2月より英国で実証実験に取り組んでいる。2011年3月には欧州統一型式認証である「WVTA」も取得した。日本国内でも同年5月から産学連携で積極的な水素利用進めている福岡県北九州市で実証走行を行っており、このように以前から実用化に向けた準備を着々と進めている。スズキの他、ホンダやヤマハなども10年以上前から開発に着手している。どちらかといえば法整備が追い付いていない状況であり、こちらが整ってくれば一気に実用化が近づきそうだ。
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