ポイントは「住宅用」と「総合力」、三菱電機の太陽光発電事業戦略:太陽光(2/3 ページ)
三菱電機は太陽電池モジュールの新製品を発表するとともに、太陽光発電関連の事業戦略を説明した。固定価格買取制度による買取価格低下の傾向などから太陽光発電システム市場は厳しい状況にあるが、ZEHや改正省エネ基準などにより、ニーズが増す住宅用を強化する他、他の家電製品など三菱電機としての総合力を発揮する方針だ。
従来比で15W向上したモジュール出力
「つくる」の強化として新たに投入するのが、太陽電池モジュールの新製品である。国内住宅用の太陽電池モジュールの新製品として、高出力の新型太陽電池セルと屋根の形にあわせた多様な形状の組み合わせで大容量の発電を実現する単結晶無鉛はんだ太陽電池モジュール「マルチルーフ」245Wシリーズ6機種を2016年6月20日に発売する(図1)。
新製品は、太陽電池セル内で発生する電子の不活性化を抑えるPERC(Passivated Emitter and Rear Cell)構造とセル内の抵抗損失を減らすSE(Selective Emitter)構造を導入した他、セルの一辺の長さを0.75ミリメートル大きくし、セル1枚当たりの面積を拡大したことにより、従来比より最大出力を15W(ワット)向上し、245Wとしたことが特徴である(図2)。
前モデルで採用した、6種類のモジュールの形状を用意。長方形の他、ハーフ・台形・スリム・スリムハーフなどのラインアップをそろえることで、さまざまな屋根において無駄無く太陽電池モジュールを設置可能としている(関連記事)。さらに、モジュール出力の25年間保証なども用意する他、電力変換効率98%のパワーコンディショナーとの組み合わせにより、電力変換ロスを抑制し、太陽電池モジュールの高出力を最大限に利用することを可能としている(図3)。
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