いよいよ国内投入か、テスラが家庭用蓄電池「パワーウォール」を出展:スマートエネルギーWeek 2016
テスラモーターズは2015年4月に発表した定置型蓄電池「Tesla Powerwall」を「第7回 国際二次電池展 バッテリージャパン」に出展した。2016年中にも日本国内で展開することを視野に入れているという。
EV(電気自動車)ベンチャーである米Tesla Motors(テスラモーターズ)は2015年4月に家庭用や法人用の蓄電池市場に参入することを発表。総合エネルギー企業となる方針を示し、米国やオーストラリアなどの地域に対して蓄電池の提案を進めてきた(関連記事)。
テスラが蓄電池製品として展開しているのは、家庭用の蓄電池「Tesla Powerwall」(以下、Powerwall)と、より大きな容量で店舗やオフィスなどを対象とした業務用蓄電池システム「Tesla Powerpack」(以下、Powerpack)である。発表から約1年となるが日本では現在のところ、販売を開始するという正式アナウンスはない。ただ、既に日本語のWebサイトも開設しており、「販売予約」や「販売パートナー募集」などを開始。条件が整い次第、日本での展開を進めていく構えだ(図1)。
こうした背景から、エネルギーの総合展示会である「スマートエネルギーWeek 2016」内で開催されている「第7回 国際二次電池展」に出展。EVの「モデルS」とともに「Powerwall」を出展している(図2)。
Powerwallは、壁掛け型で水冷式温度管理システム付きの充電式リチウムイオンバッテリーで、容量は6.4kWh(キロワット時)、出力は3.3kW(キロワット)となっている。直流充電効率は92%で、電圧は350〜450V(ボルト)、電流は9.5A(アンペア)。外形寸法は高さ1300×幅850×奥行き180ミリメートルで、重さは100キログラムである。出展モデルは外形は本物だが、中身は入れていないモックアップだ。ブースでは多くの注目を集めていた。
今後の展開についてテスラモーターズ プロダクトスペシャリスト 上條海里氏は「日本でいつから展開するかというようなことはまだ分からないが、2016年内を視野にさまざまな取り組みを進めている。ただ、社内でもよく分からない部分も多く、日本展開の時期は遅れる可能性も早くなる可能性もある」と述べている。
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