ソーラーの電気で照明、“コケ”で空気清浄化を行う駐車場が登場:スマートシティ
三井不動産リアルティは、環境配慮・非常時対応・地域貢献型駐車場のモデル事業地として「三井のリパーク」栄2丁目駐車場(名古屋市中区)をこのほど開設した。
三井のリパークは、「安心・安全」「先進性」「環境配慮」「災害支援」の4つのキーワードを軸とした駐車場づくりを進めており「社会インフラ」としての機能にこだわった駐車場を全国各地に導入している。
今回開設した駐車場は、全国の三井のリパーク駐車場で初めて“コケ”を使用した「緑化パネル」を採用した。コケによる緑化により、大気中のCO2、汚染物質を吸収し、夏場には、都市部で問題となるヒートアイランド現象の緩和に貢献する(図1)。
その他、蓄電された電力で日没後の看板・照明機器を点灯させる「ハイブリッドソーラーシステム」や、災害時や停電時にも機能する「ソーラーLED街路灯」、AED(自動体外式除細動器)、非常用電源など、駐車場の利用者だけでなく、地域住人にも貢献できるさまざまな仕組みを採り入れた新しいスタイルの駐車場となっている(図2)。
ハイブリッドソーラーシステムは日照時に6枚のソ−ラーパネルで太陽光による発電を行い、蓄電された電力で日没後の看板・照明機器を点灯させる。最大で1日に約4770W(ワット)発電することができ、場内の看板・照明機器の消費電力量を約98%供給することが可能だ。このシステムの導入により、年間で約893キログラムのCO2排出量の削減が見込める。また、日照時にソ−ラーパネルで太陽光による発電を行い、蓄電された電力で夜間にLED照明を点灯、災害時や停電時にも機能する。さらに停電時の非常用電源として、防水コンセント2口(最大120w)を用意し、携帯電話の充電やラジオなどにも利用できる。
AEDはソーラーLED街路灯のキャビネットに設置した。ソーラーLED内に温度管理可能なボックスを備えることにより屋外設置が可能となった。
未駐車時には、ロック板が地面と同じレベルに埋め込まれており、駐車後に上昇する仕組みとなっている。駐車時に機器(フラップ)を乗り越える必要がなく、さらに駐車場内の突起物が減るため、安全性が向上した。防犯対策としては場内に3台の防犯カメラを設置し、安心・安全に配慮した。
この他、入口に設置するP型看板に、デジタルサイネージパネルを搭載した。企業広告や近隣の観光案内やサービス券提携店情報などの発信を予定している。駐車場の面積は約600.68平方メートルで、26台を収納できる。
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