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走り出すホンダの燃料電池車、その未来を左右するGMとの提携戦略電気自動車(4/4 ページ)

ホンダは新型の燃料電池車「CLARITY FUEL CELL」の販売を開始する。まずは企業や自治体を中心にリース販売を行い、1年半後をめどに一般発売も開始する計画だ。普及が期待される燃料電池車だが、乗り越えなくてはならない課題も多い。ホンダは会見で今後のさらなる普及に向けた課題や取り組みの方針について語った。

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FCVの「電源」としての価値を訴求

 FCVを含むホンダの水素関連事業のテーマは「水素をつくる・つかう・つながる」だ。「つくる」の部分に相当する製品が、同社の開発した小型の水素ステーション「スマート水素ステーション」(SHS)だ(図10)。約1日程度で4畳半程度のスペースがあれば設置可能な小型の水素ステーションシステムだ。


図10 ホンダの「スマート水素ステーション」

 SHSは水を分解して1日当たり1.5キログラムの水素を製造できる。内部に18キログラム程度まで貯蔵でき、1日当たり2〜4台程度のFCVに水素を供給可能だという。FCVの普及に欠かせない水素ステーションの整備は設置コストが高いといった影響などで遅れている状況にあるが、ホンダはSHSを活用してクラリティとともに水素インフラの拡充も図る。水素ステーションの普及は4大都市圏が中心となっているが、SHSであればそれ以外の地域における導入にも効果的だ。既にホンダは複数の自治体と協力して導入実証を進めている。

 「つながる」の部分に相当するのが、クラリティと同時に販売を開始する可搬型充電器「Power Exporter 9000」だ(図11)。これはFCVなどに接続することで、車両を「電源」として活用できる。最大9kVA(キロボルトアンペア)の交流電力を供給可能で、満充電のクラリティに接続すると一般家庭で約7日分の電力を供給できるという。非常時やイベントなどの場面で活用できる。

 ホンダではこのPower Exporter 9000を通して、FCVの電源としての価値もアピールしていく狙いだ。


図11 「Power Exporter 9000」

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