豊田合成が世界トップレベルの高効率照明用LEDを開発:LED照明
LEDチップ/パッケージの大手サプライヤー豊田合成は、省エネルギー社会を目指し、世界トップレベルの発光高効率となる200lm/Wを実現した照明用LEDパッケージを開発した。
新製品は青色LEDチップと蛍光体を組み合わせた構造で、主にLEDチップとパッケージ材料の改良によって高効率化を達成した。今後、同社では2016年秋頃にさらに効率化した製品のラインアップを予定しており、2017年には発光効率215lm(ルーメン)/W(ワット)の製品開発を目指している。
新製品は小型(3.0×3.0ミリメートル)、効率化に加え熱硬化樹脂材料を採用することで耐熱性と耐ガス性に優れた高信頼性を実現した。4月から量産を予定しており、高効率タイプに加えコスト対応力に優れた185lm/Wの効率エコタイプも同時に提供を始める。色バリエーション(色温度)の品ぞろえは2700K(ケルビン)、3000K、3500K、4000K、5000K、6500Kの6種。LED電球、LED蛍光管、ダウンライト、シーリングライトなど照明用途向けに3月からサンプル出荷を開始する(図1)。
豊田合成ではLED素子メーターの強みを生かし、さらなるLEDパッケージの高効率化に取り組む。2016年秋には210lm/Wの高効率のタイプ、195lm/Wの効率エコタイプをラインアップする予定。さらに2017年には高効率タイプで215lm/W、効率エコタイプで200lm/Wを目標に開発を進めている。
LED電球、LED蛍光管、ダウンライト、シーリングライトなど照明用途向けに3月からサンプル出荷を開始する。なお、展示会ではLEDの新製品として世界で初めて開発した完全密閉構造の「ガラス封止紫外線LED(UV-LED)」も披露した。同製品は以前から同社が保有する「ガラス封止パッケージ」技術を紫外線LEDにも応用し、LEDチップを空気中のガスや水分による影響を受けないようにガラスで完全密閉。温度100度の高温度や、温度85度、湿度85%の高温高湿度といった多様な環境下でも高い信頼性を維持できる。
使用する紫外線LEDチップはこれまでの青色LED開発で培った窒化ガリウムの結晶成長技術を応用し、結晶構造を改良することでLEDチップ1つ当たりの光出力を向上させている。さらにLEDチップを基板に直接接続する「フリップチップ」技術を採用し、小型化を実現。単位面積当たりの光出力を従来一般製品比2倍以上となる200mW/平方mmを達成した。今後、樹脂やインク、接着剤などの硬化用光源等の適用に向け、サンプル出荷を4月から開始する。
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