米国の地方で3割超、風力の比重高まる:自然エネルギー(2/2 ページ)
米国の中西部に位置するアイオワ州は、全米で初めて総発電量に占める風力発電の比率が30%を超えたと発表した。風力発電は経済的に重要な位置を占めており、5年以内に風力の比率を40%まで高めることができるという。
風力が重要な電力源へと変化
エネルギー省は燃料別の発電量について、詳細なデータを発表している。図3は全米の発電量について2014年通年と2015年通年を比較したもの*4)。石炭が減り、天然ガスと再生可能エネルギーが増えている。
再生可能エネルギーの占める割合は、6.8%から7.3%まで増加した。
比率が1%を超える燃料源のうち、最も伸びが著しいのは天然ガス(18.5%)、次いで再生可能エネルギー(6.9%)だ。
*4) 全米の総発電量は2014年の4兆936億kWhから、2015年の4兆874億kWhへと0.2%減少している。比率が1%未満の燃料は、図中に数値を示していない。
図3に示した再生可能エネルギーだけを取り出し、方式別の比率を計算した結果を図4に示す。2014年の再生可能エネルギーに占める風力の比率は65.1%。ところが2015年には64.0%に減っている。風力は1年間で181.7億kWhから190.9億kWhへと5.1%成長しているものの、太陽光が49.6%も成長したため、比率としては微減になった*5)。
なお、国別の風力発電の導入量でも、米国は高い位置にある。中国に次いで世界第2位であり、2015年末時点で発電容量は約70GWである。
*5) EIAの統計では、自家消費された太陽熱・太陽光発電について図3、図4に挙げた数値とは別に推計している。これを加算すると2014年の総発電量は272.3億kWh、2015年は386.1億kWhである。この数字を含めると、図4に示した太陽光の比率は2014年で9.8%、2015年で12.9%となる。
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