アサヒ飲料がワタミと提携、電力自由化で「自販機と電気」のセット割を提供:太陽光
2016年4月1日からの電力小売全面自由化を目前にアサヒ飲料が「自動販売機と電気のセット割」というユニークな商品を発表した。既に電力小売事業への参入を発表しているワタミとサンコーライテックと提携して提供する。ワタミからの電力購入とアサヒ飲料の自動販売機の設置を同時契約すると電気料金がよりお得になるという。
アサヒ飲料、ワタミファーム&エナジー、サンコーライテックの3社は2016年3月29日、電力小売全面自由化に向けて業務提携契約を締結し、2016年4月1日から「自販機セット電気代割引サービス」を展開すると発表した。自動販売機の設置契約と小売電力販売を組み合わせた飲料業界初(アサヒ飲料)のサービスになるという。
ワタミファーム&エナジーは居酒屋チェーンや介護事業を展開するワタミのグループ会社で、エネルギーやリサイクル事業を展開している。2015年5月から高圧向けの電力小売事業に参入し、2016年3月現在240カ所の事業所に電力を供給している。
同社は既に2016年4月から自由化される家庭や小規模店舗を対象にした低圧市場への参入も表明しており、現行の電力会社より安い電気料金単価と高齢者の見守りサービスなどの付加価値サービスを組み合わせた料金プランを発表している(関連記事)。
今回発表した自販機セット電気代割引サービスとは、ワタミファーム&エナジーと電力契約を結んだユーザーが、アサヒ飲料の自動販売機の設置をセットで契約すると、電気代の通常割引(最大5%程度)に加え、さらに自動販売機の電気代相当分の割引が受けられるというサービスだ。
アサヒ飲料は自動販売機の設置を、ワタミファーム&エナジーは小売電気事業者として電力の供給を、LED照明メーカーのサンコーライテックは電力需給契約に関する営業窓口を担う(図1)。2016年4月よりまず首都圏、中部、近畿圏エリアで提供を開始する。高圧/低圧の両方のユーザーを対象に提案を進めていく。
自動販売機市場はここ数年飽和状態にあるといわれており、飲料メーカー各社は設置台数の増加に向けたさまざまな取り組みを推進している。アサヒ飲料では自動販売機きにWi-Fi機能や防災機能といった付加価値を加える取り組みを推進しており、今回の自販機セット電気代割引サービスもこうした施策の一環となる。
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