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ポストFIT時代にどう立ち向かうのか、太陽光発電は「賢く運用」する時代にエネルギー市場最前線(2/3 ページ)

普及が進む太陽光発電だが、買取価格の低下やメガソーラーの最適立地数の限界が見えてきた点など、将来的なビジネス面での厳しさが予測されている。転機を迎える太陽光発電ビジネスをどう転換するのか。1つのカギとなるのが「太陽光発電設備を賢く運用する」という視点だ。

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メテオコントロールの特徴は「分析機能」

 メテオコントロールの遠隔監視システムは、監視ツールと同ツールから得た情報を集約し可視化や分析などを行うクラウドサービスの組み合わせで構成されている。同システムの特徴として、特にサンテックパワージャパンが強調するのが「分析機能」である。

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サンテックパワージャパン 技術・プロダクト管理本部 第2システム技術グループ グループマネージャーの米澤慶信氏

 サンテックパワージャパン 技術・プロダクト管理本部 第2システム技術グループ グループマネージャーの米澤慶信氏は「太陽光発電システムの遠隔監視システムは既に国内でも多く登場しており、導入している太陽光発電所も多いが、基本的には太陽光での発電状況を可視化するだけである。メテオコントロールは欧州での太陽光発電システムのさまざまな導入実績をベースにさまざまな分析機能を備えていることが強みだ」と述べる。

 例えば、日射シミュレーションに対して実際の発電量が正しかったのかを自動演算で比較し、下回った場合は自動でアラートを出す機能や、放射照度と発電出力のグラフを自動で縮尺を合わせて、軌跡を比較できるようにする機能などを採用(図2)。「似たような機能を持つシステムもあるが、実際に欧州中心に4万カ所での使用実績があるため、使いやすいように細かなカスタマイズを行っていることが特徴だ」(米澤氏)。

photophoto 図2 日射シミュレーションと実際の発電量の比較を行ったイメージ(左)と、グラフ右軸の放射照度と左軸の出力を縮尺を合わせて表示し一目で以上が発見できるようにしたイメージ(右)(クリックで拡大)出典:サンテックパワージャパン

 発電設備の異常への対応を容易にしている点も特徴だ。発電設備に異常が発生した時には、どこに問題が発生しているのかを現場で確認する作業に時間がかかるケースが多い。しかし、同システムでは時間帯別にパワーコンディショナごとの発電量をヒートマップで一覧表示できる機能により、発電量が減少した時に天候による全体の影響なのか、あるパワコンのラインが異常なのかを一目で把握できる。さらに文書管理機能などを備えているので、発電所の図面を取り込み、監視状況を図面と同期させて表示することも可能である(図3)。「図面に監視状況を反映させる機能は多くの遠隔監視システムでは有料で請け負うケースが多いが、メテオコントロールのシステムではカスタマイズが容易であるため、無料で組み込むことができる」と米澤氏は訴えている。

photophoto 図3 ヒートマップでのパワコンごとの発電量の比較(左)と図面を組み込んだ遠隔監視のイメージ(右)(クリックで拡大)出典:サンテックパワージャパン

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