ドローンで太陽電池を守る、空からホットスポットを検知し即日共有:太陽光(2/2 ページ)
ソフトバンク・テクノロジー、エナジー・ソリューションズ、サイバートラスト、M-SOLUTIONSの4社は、ドローンとクラウド技術を使って太陽電池の赤外線検査を行うシステムのプロトタイプを開発した。サービス提供は2016年8月を予定している。
プロトタイプでは報告書提出まで従来比5分の1に
プロトタイプでは、クラウド上で事前に図面に対応したフライトスケジュールを生成し、自動航行機能を搭載したドローンにオンラインで配布することで、効率よく安全に検査することを可能とする。これにより検査コストが大幅に削減される予定である。さらに、従来はモジュール位置の特定と解析、報告書を作成、事業者への報告書の提出まで含めて通常4〜5日程度必要だったが即日での撮影データ収集と解析が可能となるという(図3)。
プロトタイプ製作における4社の役割は、エナジー・ソリューションズがソーラーモジュール検査システム、赤外線サーモグラフィーデータ解析システムの開発などを担当。サイバートラストが、第3者認証機関としてドローンとクラウドサービスの電子証明書認証による送受信データの暗号化、ソフトバンク・テクノロジーがクラウド環境でのデータの蓄積・解析、M-SOLUTIONSが位置情報を用いて地図上に赤外線センサーの情報をマッピングするアプリの開発を担当している。
目視から完全自動化へ
今回開発したプロトタイプでは、最終的にドローンのサーモグラフィー画像から、ホットスポットの判別を目視で行う必要があるが、今後サービス開始に向けては完全自動化することを検討しているという。さらに、ソフトバンク・テクノロジーが提供する「IoT構築サービス」により、データの収集までは行えるが、その後のレポート化は手作業が発生している。これらも自動的にレポートが作成されるようにする予定だ。最終的にこれらの自動化機能を強化した上で、2016年8月のサービス提供開始を予定している(図4)。
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