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捨てる廃材が水素に変わる、省エネにも役立つ新型リサイクル装置:省エネ機器(2/2 ページ)
リサイクル事業を手掛けるアルハイテックがNEDOプロジェクトで進めていたアルミ複合廃材から水素を製造できる実証プラントが完成した。リサイクルが困難なアルミ複合廃材から1時間に2キログラムの水素を製造できる他、油とパルプも取り出すことが可能だ。これらを工場のエネルギーとして再利用することで省エネが図れる。
水素以外の「副産物」も活用してさらに省エネに
実証システムの大きな特徴が、水素製造過程の中で水素以外の再利用可能な素材やエネルギーを回収できる点だ。最初の分離過程で回収できる紙はトイレットペーパーなどに、オイルやガスは工場で必要な熱源として活用できる。水素と燃料電池で発電した電力ともに活用することで、工場のさらなる省エネに貢献できる。
最後の水素発生工程では水酸化アルミニウムが残るが、これは吸着剤や充填剤などの原料となる成分だ。実証ではこうした水素以外の副産物の再利用と、その経済性についても検証を進めていく(図3)。また、製造した水素は将来に向け、水素ステーションでの利用も検討していくという。
今後アルハイテックではこうした実証システムの性能や技術的課題、省エネルギー性能の検証を引き続き実施していくとともに、国内外を問わず、導入顧客となり得る印刷工場、パッケージ工場、金属工場などに対して実証システムの販売も目指していくとしている。
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