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一次エネルギー効率143%、光熱費とCO2を5割以上削減する新型給湯器:省エネ機器(2/2 ページ)
設備メーカーのノーリツ(兵庫県神戸市)は、ガスと電気を組み合わせて利用する戸建住宅向けの「ハイブリッド給湯・暖房システム」の新製品を発表した。「業界最高レベル」(同社)の給湯一次エネルギー効率143%を達成した製品で、大幅な省エネによる電力コストとCO2排出量の削減を可能にした。2016年9月1日から販売を開始する。
狙うは拡大するZEH市場
ノーリツが新型のハイブリッド給湯・暖房システムで狙うのは、市場が拡大傾向にある「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」市場だ。政府は2030年に新築戸建て住宅でZEHの達成を目標に掲げている。そこで新製品には高いエネルギー効率/省エネルギー性能の他にも、複数の改良を加えている。
1つ目が太陽光発電システムを導入している戸建て住宅への対応だ。戸建てのZEH化に向け、太陽光発電システムを採用する場合も多いため、新製品では運転モードに従来からある「売電優先モード」に加え「自家消費優先モード」を新たに追加した。このモードでは太陽光発電を行う時間帯にヒートポンプユニットを積極的に稼働させられる。再生可能エネルギーの固定価格買取制度における売電価格の下落に伴い、今後高まるとみられる電力の自家消費ニーズに対応する。
2つ目が設置性と施工性の改良だ。新商品では貯湯ユニットの排気方向を前面から側面に変更することで、必要な奥行き寸法を従来品の700ミリメートルから最小で550mmに縮小した。これにより設置スペースを約31%削減することが可能になり、都市部などでニーズが多い狭小地への設置に対応した(図3)。
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