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全村避難の村にメガソーラー、売電収益を復興計画に役立てる:太陽光(2/2 ページ)
福島第一原発事故の影響で全村避難指示を受けている福島県相馬郡の飯舘村。ここで同村が出資する出力10MWのメガソーラーが運転を開始した。売電収益の一部を村の復興資金として活用していく。
売電収益は90億円以上、一部を村の復興計画に生かす
いいたてまでいな太陽光発電所で発電した電力は、全て再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)を利用して全て東北電力に売電する。今回の事業では発電所の近くに22kV(キロボルト)の特別高圧電線も建設しており、発電した電力は連系変電所にて66kVへ昇圧した後に、電力会社の送電線へ送られる仕組みだ(図3)。
買取価格は1kWh当たり税別40円だ。東光電気工事によれば20年間の純粋な売電収益は90億円以上を見込んでいるという。この売電収益はいいたてまでいな太陽光発電を設立した飯舘村と東光電気工事に、出資比率に応じて分配される。飯舘村ではこうした売電収益を、復興計画の特別財源として活用していく。
飯舘村ではまでいな復興計画の一環として、この他にも太陽光発電所の建設を進めている。避難指示解除時を想定して開発を進めている復興拠点に太陽光発電設備を導入し、こちらでもその売電収益を復興計画の原資として活用していく。
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