山形県の港に2つの風力発電所、2017年10月に運転開始:自然エネルギー
山形県の酒田市周辺は風況が良く、風力発電所が多く集まっている地域だ。同市にある酒田港の港湾区域内に新たに2つの発電所の建設が決まった。エコ・パワーが建設する発電所で、2017年10月の運転開始を予定している。
コスモエネルギーホールディングスのグループ会社であるエコ・パワーは、このほど山形県酒田市で風力発電所の建設に着手した。新設する発電所は3000kW(キロワット)の風力発電機を2基設置する「酒田港宮海風力発電所」と、同1基を置く「酒田港大浜風力発電所」の2カ所。2017年10月に営業運転を開始する予定だ(図1)。
コスモエネルギーホールディングスは2010年3月に株式譲渡により、エコ・パワーの筆頭株主となり、風力発電事業に参入。既存サイトのメンテナンスを強化するなど黒字体質化に取り組んだ。その後、2012年7月施行の全量買取り制度により事業採算性が向上し、収益性が安定。現在も新規サイトの開発を進め、再生可能エネルギー事業の拡大に取り組んでいる。
中期経営計画(2013〜2017年)では期間中に合計で約9万kW規模の事業拡充を掲げている。既に設備容量2万kW(2000kW風力発電機×10基)の「広川・日高川ウィンドファーム」(和歌山県日高川町)が2014年11月に運転を開始。同1万6000kW(2000kW機×8基)の「会津若松ウィンドファーム」(福島県会津若松市)が2015年2月に稼働している。
また2016年に入っても秋田市の秋田新屋風力発電所(1990kW×1基)が2月に運転を始めた。この他、三重県度会町に2万8000kW(2000kW風力発電機×14基)の「度会ウィンドファーム」を建設中だ。同発電所は2017年3月に運転を開始する予定で、最終的に5万kW(2000kw×25基)にまで設備容量を拡大する計画だ。
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