北海道の南西部に16基の風車、出力50MWで2018年に運転開始:自然エネルギー
北海道南西部にあるせたな町で、風力発電所の建設が始まった。J-Powerなどが手掛ける「せたな大里ウィンドファーム」で、2018年中の稼働を予定している。16基の大型風車を利用し、発電所の総出力は50MWを維持していく計画だ。
電源開発(J-Power)と風力発電メンテナンスサービスの北拓(北海道旭川市)は、北海道南西部のせたな町で風力発電所「せたな大里ウインドファーム」の建設工事をこのほど開始した(図1)。建設は両社の共同出資による事業会社のジェイウインドせたな(東京都、出資金1000万円、出資比率Jパワー90%、北拓10%)を通じて行っている。
同発電所はシーメンス社製の定格出力3.2MW(メガワット)の風力発電機を、北海道南西部のせたな町瀬棚区西大里地区および元浦地区に16基設置するもの。発電所全体の出力合計は50MW以内に制御する計画だ。営業運転は2018年中を予定している。
J-Powerがせたな町に風力発電所を建設するのは、「瀬棚臨海風力発電所」(運転開始平成17年12月、出力120MW)に次いで2カ所目。北海道内では「苫前ウィンビラ発電所」(苫前町、出力30.6MW) 、「さらきとまないウィンドファーム」(稚内市、出力14.85MW) 、「島牧ウインドファーム」(島牧村、4.5MW)、「上ノ国ウインドファーム」(上ノ国町、28MW)に続く6カ所目の風力発電所となる。
なお、新発電所の建設着手により、Jパワーが国内で手掛ける風力発電事業は23地点(運転中20地点、建設中3地点)となり、その総出力は494.960MW。海外に建設したものも含めると総出力は542.96MWに達する。
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