検索
ニュース

東京電力のシステム不具合が続く、未通知件数が最大4万件を超える事態に電力供給サービス(2/2 ページ)

5月下旬に明らかになった東京電力の託送業務システムの不具合による影響が拡大している。小売電気事業者に通知する需要データのほかに発電データの通知にも遅れが生じて、最大で4万件を超える未通知が発生した。数多くの小売電気事業者が電気料金を請求できない状況になっている。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

6月最終週に解消の見込みだが

 さらに太陽光発電などの発電量のデータも託送業務システムで確定して事業者に通知するため、同様に未通知件数が6月7日の時点で約2万件にのぼった。しかも5月30日の時点と比べて件数は増えている(図4)。住宅を中心とする低圧の太陽光発電に加えて、発電量の多い特別高圧・高圧の事業者を含めて、通知対象の5割以上が未通知の状況だ。


図4 発電データの未通知件数。出典:東京電力パワーグリッド

 一連の問題に対して東京電力は託送業務システムを使わずに手計算で対応している。システムの不具合が解消できていないためで、6月8日の報告の中でも不具合を解消できる見通しを示せていない。

 需要データに関しては6月7日の時点で約2万件の未通知が残っているが、6月20日の週に2400件へ、翌27日の週にはすべて解消できる予定だ(図5)。発電データも同様に6月27日の週に未通知を解消する見込みを明らかにしている。この間に小売電気事業者や発電事業者と協議しながら需要データと発電データを確定させる。


図5 需要データ(上)と発電データ(下)の未通知解消の見込み。出典:東京電力パワーグリッド

 ただし託送業務システムの不具合がなくならない限り、小売の自由化後に増え続けている契約変更の対象が拡大している状況では、再び未通知が発生する可能性は大いにある。東京電力は問題の収束に向けて、外部委託を含む70人を増強して総勢600人近い体制で解決を急ぐ(図6)。


図6 事態収束に向けた体制。出典:東京電力パワーグリッド

 問題の根幹にある託送業務システムの不具合を完全に取り除くことができなければ、今後も小売の自由化に支障をきたしかねない。1日も早い解決が求められる。

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る