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通信×エネルギーに勝機、仮想発電所も視野に入れ躍進する通信系施工会社エネルギー市場最前線(2/2 ページ)

通信関連の工事会社であるミライト・ホールディングスは、環境・エネルギー関連事業への取り組みを強化。2015年にはオリックスとの合弁でミライト・エックスを設立し家庭用蓄電池の施工で成長する。ミライト・エックスの代表取締役社長である柳澤繁氏に取り組みを聞いた。

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家庭向けのインターネット接続支援サービスがポイントに

スマートジャパン ミライトグループではほとんど家庭向けの事業を行っていませんが、なぜ家庭向けのサービスでミライト・エックスは成功しているのですか。

柳澤氏 まずは前提として、ミライトグループ自体が通信工事などを行っていたため電気工事士などさまざまな工事資格者を抱えていたり、これらの資格を持つ協力会社との関係を保有していたりするという点がある。そのためすぐに全国で家庭用蓄電池の工事も行うことができた。

 さらに“家庭向け”で成功した理由としては、もともとの母体となったIP テクノサービスで展開していたインターネット接続のサポートサービスが大きかった。今では考えられないかもしれないが、ひと昔前はインターネット接続を行うのにさまざまな設定などが必要で、自分でつなげないという人もいた。そうした人々をサポートするサービスを行っていたわけだ。最近ではそういうニーズもなくなり事業としては厳しくなってきたが、同事業を運営するためのバックボーンとなるシステムを開発していたことが強みになっている。

 家庭向けの施工サービスを行うには、作業員をアサインし、発注した家庭とアポイントを取って、時刻通りに派遣し工事するということを行わなければならない。ただ、この仕組みはほとんどがインターネット接続サポートの仕組みと同じである。このシステムをそのまま使用することができた。さらにコールセンターなども同様である。こうした実作業を支えるシステムがあったからこそ、家庭向けでも安定した品質で作業を行うことができる。これが他社にない強みだといえる。

他の蓄電池メーカーと関係強化、仮想発電所も

スマートジャパン 今後の取り組みの方針を教えてください。

柳澤氏 現在の工事の多くはオリックスが営業を進めているハウスメーカーからの受注が多いが、蓄電池メーカーも独自で販売を伸ばそうという取り組みを強化している。こうした蓄電池メーカーからは施工の請負先として話が来ているため、新たな協力関係を構築し受注を増やしていきたい。さらに現在は家庭向けが中心だが、ドラッグストアやコンビニエンスストアクラスの規模であれば、家庭向けと同様の仕組みで蓄電池施工なども行えるため、このクラスの店舗を持つチェーン店への営業を進めていく。

 また現在でも設置した蓄電池システムはWi-Fi経由でデータを取得できるようにしており、稼働監視を行っているが、将来的にはこうしたエネルギー+ICTの領域を強化し、仮想発電所(VPP)などにも取り組みたいと考えている。家庭の電源は、将来的には自給自足型の分散型電源への道を歩むとみており、あらゆる家庭に蓄電池が設置されると予測している。そうした際に蓄電池容量を生かさない手はなく、ICTの力を使った新たなソリューションが生まれてくる。そこで強みを発揮できるようにしていきたい。

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