復興を支える8.3MWのメガソーラー、福島県矢吹町で営業運転開始:太陽光
三菱マテリアルと三菱UFJリースの子会社であるエルエムサンパワーは、福島県矢吹町に矢吹太陽光発電所を新設し、このほど営業運転を開始した。
三菱マテリアルと三菱UFJリースが折半出資するエルエムサンパワー(東京都千代田区)が建設した矢吹太陽光発電所は、福島県矢吹町の10万3624平方メートルの敷地に建設された、矢吹太陽光北発電所(発電設備容量1637kW、最大送電電力1330kW、土地面積2万365平方メートル)、同東発電所(2592kW、1995kW、3万2876平方メートル)、同南第一発電所(2133kW、1719kW、2万6829平方メートル)、同南第二発電所(1922kW、1500kW、2万3554平方メートル)の4つの発電所で構成されている。合計発電設備容量は8284kW、最大送電電力は6544kWとなっている。設計・建設は千代田化工建設が請け負った(図1)。
エルエムパワーは2013年から三菱マテリアルグループの社有地を活用した太陽光発電プロジェクトを進めており、今回が5カ所目となる。現在、新発電所の他、真壁太陽光発電所(茨城県桜川市)、福井太陽光発電所(福井市)、鳥越太陽光発電所(福岡県苅田町)、入釜太陽光発電所(宮城県栗原市)の4カ所の太陽光発電所が稼働しており、5カ所合計で土地面積が約33万平方メートル、発電設備容量は24.7MWに達する(図2)。
三菱マテリアルは、持続可能な資源循環型社会を構築するため、同社グループのビジネスインフラを活用した環境リサイクルおよび再生可能エネルギー事業に積極的に取組んできた。太陽光発電事業は、社有地を有効活用するとともに、長年展開してきた地熱・水力発電に次ぐ新たな再生可能エネルギー事業への取組みとして位置付けている。
また、三菱UFJリースは、総合ファイナンスカンパニーとして、施設の省エネ化を導入からエネルギー削減の効果保証までをパッケージでサポートするESCO事業や、再生可能エネルギーの発電設備を対象としたプロジェクトファイナンスなど、環境分野における幅広い事業を国内外で積極的に展開している。
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