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太陽光発電に残る課題、安全指標とパネルのリユース技術を確立へ太陽光(1/2 ページ)

一気に普及が進んだものの、課題も多く残る太陽光発電。NEDOでは新プロジェクトとして、発電設備の設計ガイドラインの策定と使用済み太陽電池のリサイクルに関する技術開発を実施する。発電設備の安全性の確保や、将来大量に発生する使用済み太陽電池のリサイクル課題などの解決を目指す方針だ。

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 再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)開始以降、国内で急速に普及が進んだ太陽光発電。FIT価格の低下で市場の成長率は落ち着いてきたものの、今後もさらに導入が進んでいく見込みだ。一方で導入量を拡大していくためには、出力制御や長期的な発電設備の運用保守など、技術・制度の両面で解決すべき課題も多く残っている。

 NEDOはこうした状況を受け、太陽光発電設備の安全性確保と使用済み太陽光電池のリユース技術に関する研究開発の実施を決めた。2016年6月28日に各研究テーマの委託先を発表している。

安全性確保に向け3テーマを採択

 太陽光発電設備の安全性に関する研究開発テーマでは、「太陽光発電設備の安全化に関する実証試験および研究」(委託先:産業技術総合研究所)、「耐風安全性および水害時感電防止を考慮した合理的設計手法の開発」(委託先:太陽光発電協会、奥地建産)、「太陽光発電システムの災害被害の把握と火災・感電防止技術の開発」(委託先:太陽光発電所ネットワーク)を採択した。

 近年、豪雨や強風の影響で太陽光発電設備が損壊したり、水害で水没したりといった事例が日本各地で発生した。こうした発電設備に対して「設計や施工が不十分だったのではないか」という指摘もあり、設備の安全性確保に注目が集まっている。水害などが発生した場合には、感電などの副次的な被害を防ぐ必要もある。

 NEDOでは今回実施する3つの研究開発テーマで、太陽光発電設備の構造や電気系統設備の安全性などの課題に関する研究調査や実証実験を実施する。その結果をもとに、設備の安全確保に向けた設計ガイドラインを作成する計画だ。

 例えば太陽光発電協会と奥地建産が実施する「耐風安全性および水害時感電防止を考慮した合理的設計手法の開発」では、設備の構造安全性について、杭(くい)の支持力と架台の耐風圧性能に関する実証試験などを行い、設計ガイドラインや安全マニュアルをまとめるとしている(図1)。


図1 「杭の支持力性能試験」と「課題の耐風圧性能試験」のイメージ 出典:NEDO
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