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太陽熱エネルギーで水を自動循環、有機野菜を家庭で栽培できるシステム量産へ:スマートアグリ(2/2 ページ)
再生可能エネルギーを利用した新しい農業に注目が集まるなか、太陽熱のエネルギーで有機野菜を栽培するシステムを日本のベンチャー企業が開発した。太陽熱で空気を膨張・収縮させて、野菜の栽培に欠かせない水を自動的に循環させる仕組みだ。2017年の量産に向けて限定販売を開始した。
限定生産モデルをインターネットで販売中
ネイチャーダインは2017年からSoBiCを量産する計画だ。それに先立って限定生産によるパッケージキットの予約販売を6月29日に開始した。栽培器の「シングルモデル」とカプセル野菜1個の組み合わせで6300円(税込み)で販売する。
販売数は200セットに限定して、インターネットで支援者を募集するクラウドファンディングの「Makuake(マクアケ)」のサービスを使って予約を受け付ける。野菜は2〜3カ月で収穫できるものが多く、追加のカプセルはネイチャーダインのウェブサイトで8月以降に発売する予定だ(図4)。
栽培する野菜の量や種類を増やせるように、複数の栽培器を連結できる「親機モデル」も開発した。親機モデルは水を補充するタンクの中にボールタップを内蔵していて、水道栓につなげばタンク内の水位に合わせて自動的に給水できる(図5)。
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