ニュース
横浜に立ち上がる「仮想発電所」、初の公民連携で構築:スマートシティ(2/2 ページ)
地域内にある再エネ発電設備や蓄電池、デマンドレスポンスシステムなどを統合制御して「仮想発電所」を構築する官民連携事業が横浜市内で始まった。同市と東京電力エナジーパートナー、東芝の3者が共同実施するもので、市内の小中校に蓄電池設備を導入し、平常時はデマンドレスポンスに、非常時は防災電源として活用する。
スマートシティ実証の成果を活用
横浜市では2010年度から政府の補助を受けて「横浜スマートシティプロジェクト」に取り組んでいる。これは民間企業34社と共同で、家庭やビルなどの既成市街地へのエネルギー受給の最適化に貢献するシステムの導入と実証を目的としたものだ。
横浜市はこのプロジェクトを通して2015年度までにHEMSを4200件、太陽光発電システムを合計37MW(メガワット)、電気自動車を2300台を導入することに成功している。こうした取り組みによって、現在、横浜市における使用電力量の10%は、再生可能エネルギーなどの市内の分散電源が占めているという。
このプロジェクトには東電EP(当時は東京電力)と東芝も参画しており、そこで得たノウハウや技術を今回のVPP構築事業でも活用していく。
関連記事
- 通信×エネルギーに勝機、仮想発電所も視野に入れ躍進する通信系施工会社
通信関連の工事会社であるミライト・ホールディングスは、環境・エネルギー関連事業への取り組みを強化。2015年にはオリックスとの合弁でミライト・エックスを設立し家庭用蓄電池の施工で成長する。ミライト・エックスの代表取締役社長である柳澤繁氏に取り組みを聞いた。 - 仮想発電所により需給変動を抑制する実証、九州で開始
九州電力はこのほど国の「バーチャルパワープラント構築実証事業費補助金(大型蓄電システムによる需給バランス改善実証事業)」の交付決定通知を受けた。これに伴い2016年度、国の補助事業として各種の実証事業を実施する。 - 「仮想メガソーラー」を支援するクラウド型の太陽光発電所管理サービス
富士通は、遠隔地に分散する小規模太陽光発電を一元で管理できるクラウドサービスの販売を開始した。同サービスは、レオパレス21と進めてきた実証実験の成果を生かしたものだという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.