石狩市に効率80%のガス発電所、自営線を再エネ事業者と共同発注:蓄電・発電機器(2/2 ページ)
北海道ガスは石狩LNG基地に高効率な出力78MWのガス発電設備を計画している。川崎重工業製のガスタービンを利用し、排熱も活用するコージェネレーションシステムで総合効率80%を目指す。2018年10月に稼働を予定しており、これに合わせて北海道ガスは自営線も整備する。自営線は周辺地域で再生可能エネルギー事業を計画する事業者と共同発注し、コストを抑える。
再エネ事業者と自営線を共同発注
建設するガス発電設備で発電した電力は、約8キロメートル離れた北海道電力の樽川変電所まで送電する。この送電設備については、自営線を整備する計画だ。整備については、同一ルートで送電設備工事を検討している石狩新港新エネルギー発電、エコ・パワーと協定を結んだ。3社共同で北海電気工事に発注し、コストを抑える狙いだ。送電設備の容量は100MW、66kV(キロボルト)の全線地中線で2018年の5月下旬に完成予定だ。なお、北海道ガスのガス発電設備と自営線の開発を合計した総事業費は約100億円である。
北海道ガスと協定を結んだ石狩新港新エネルギー発電とエコ・パワーは、それぞれ周辺地域で再生可能エネルギー発電設備の開発を進めている。石狩新港新エネルギー発電は、石狩市にある「石狩新港工業団地」内で出力50MWのバイオマス発電事業を計画している。使用燃料には輸入バイオマス燃料であるPKS(パーム・カーネル・シェル)などの他、地域材を利用する。
風力発電を専門とするエコ・パワーは、既に北海道内の9カ所で風力発電所を開設している。新たに石狩湾新港地域に「石狩湾新港風力発電所」を建設する計画だ(図3)。3300kWを風車を2基備える発電所となる予定で、2018年中の稼働を予定している。これに合わせて自社変電所に送電する送電設備の工事を計画していた。
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