使用電力にかかわらず割安に、中部電力とビッグローブの協業プラン:電力供給サービス
ビッグローブは、2016年8月1日から中部電力と提携したBIGLOBE接続サービス利用者向けの電力サービスである「中部電力 カテエネプラン for BIGLOBE」をリニューアルする。電気使用量にかかわらず従来の電力サービスより割安にできるという。
中部電力とビッグローブの協業プランである「中部電力 カテエネプラン for BIGLOBE」は、BIGLOBE接続サービス利用者向けに中部電力が用意した電力サービスの専用プランである(関連記事)。東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、静岡県の一部(富士川以東)など首都圏エリア(離島、または集合住宅で一括受電の電気契約をしている場合を除く)に提供している。
これまでの同サービスの料金は、電気使用量が多い場合に限り、従来(東京電力で従量電灯B・Cを利用した場合)の電力サービスよりも低価格になるものだったが、今回のリニューアルにより、基本料金や電力量料金の単価を引き下げたことで、電気使用量が少ない場合でも従来の電力サービスより安価に提供することが可能になる。同プランを当社想定の4人家族のモデルケースで利用する場合、従来の電力サービスと比較して、1年間で約1万円程度、電気料金が安くなるという(図1)。
なお、電力と光接続サービス「ビッグローブ光」、高速モバイル通信サービス「BIGLOBE SIM」とのセット割である「光☆でんきセット割」「光☆SIMでんきトリプル割」を利用すると、さらに毎月最大400円(税別)の割引が可能だ。
電力小売自由化での切り替えはそれほど加速していない
2016年4月から電力小売りが全面自由化されて以降3カ月以上が経過したが、電力・ガス取引監視等委員会によると、スイッチングの申し込み状況は2016年6月3日時点で約106万件となっている。一方で旧一般電気事業者(大手電力会社)の自社内の契約の切り替えの申込件数は約135万件で合計の契約切り替えの申込件数は約241万件となっている(関連記事)。東京電力のスマートメーター取り付け遅延などの問題もあり、低圧向けのスイッチングは、期待されたほどのスピードでは進んでいないといえる。また、開始当初に付けていた価格やサービスが想定したほど、顧客層に響かないケースなども出てきており、小売事業者が電力プランの見直しを図る動きが広がりつつある。
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