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電力小売の顧客管理システム、いかにコストを最小に抑えるか:電力自由化で勝者になるための条件(6)(2/2 ページ)
契約の申込受付から料金計算まで含めて、電力の小売事業に必要な業務は幅広い。ITの活用は不可欠だが、薄利多売の小売事業で収益を上げるためには、顧客管理システムの開発・運用コストを最小限に抑える必要がある。当面の顧客数を想定しながら、簡易な仕組みから立ち上げるのが望ましい。
将来のシステムの改修にも備える
当面の需要家数が少ないケースでは、電力広域的運営推進機関のスイッチング支援システムが用意しているWEB入力機能を併用する方法もある。入力作業が二度手間になるものの、業務をこなすことは十分に可能だ。事業の立ち上げ当初は需要家の件数やサービスエリアの範囲にもよるが、基本的には少人数で拠点を1カ所に集中して業務を回すことが重要である。
業務の仕組みは可能な限りシンプルに、それを支えるシステムは必要最小限の仕組みを構築するのが望ましい(図3)。自社の既存システムとの統合などを含めて、電力小売事業の継続性が確定した時点で(おそらく事業開始から3年後くらいに)、本格的なシステム投資を検討してもよいと考えられる。
いずれにしても最低限の業務がきちんとこなせる仕組みを構築することを前提に、ITベンダーの提案に振り回されることなく、システムのコストは小さく抑えておきたい。将来の制度設計や事業戦略の変更に伴うシステムの改修にも備える必要がある。最短の期間と最小のコストでシステムを改修できる仕組みを作っておくことが、他社との競争に打ち勝つうえで欠かせない戦略になる。
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