顧客獲得を決める受付業務、対面・コールセンター・WEBの仕組み:電力自由化で勝者になるための条件(7)
小売電気事業者の業務は受付から始まる。家庭を対象にした低圧の小売事業では、対面営業のほかにもコールセンターやWEBを活用した仕組みづくりが欠かせない。集客から見積もりの提示、契約内容の事前説明や契約書の交付まで、効率よく業務を実行しながら顧客を確実に獲得していく。
連載第6回:「電力小売の顧客管理システム、いかにコストを最小に抑えるか」
小売電気事業者にとって、契約の受付業務は顧客との接点になる重要なプロセスである(図1)。受付の方式としては、対面営業、店頭営業、コールセンター、WEBなどに大別されるが、いずれも集客の仕組みを整備することが大事になる。さらに契約内容の事前説明や契約書の交付といった、小売電気事業者として必要な業務を実行するための仕組みづくりが不可欠なことは言うまでもない。
対面営業のケースでは、重要事項の説明の後に、契約意思の確認と同時に申し込みを受領して、担当者が帰社後に業務処理を行うことになる。その間に検針票などの基本情報をもとに見積もり作業を実行することも重要な業務の1つである。
店舗営業も同様だが、事前に告知しておいたとしても、需要家が検針票など申し込みに必要な情報を持参するとは限らない。見積もりに関しては、早見表などを使った大まかな想定見積もりの手段を考慮しておく。加えて再度来店してもらえるようなインセンティブを準備する必要がある。
WEBの場合には、通常はWEBで情報を参照した後に、コールセンターに連絡してくるケースが多いと想定される。どのような方法で需要家を自社のWEBへ誘導するのかを検討し、そのうえで誘導後のライディングページを需要家にとってわかりやすく表示することが重要である(図2)。過度な仕組みはオペレーションコストを上昇させるだけであり、決して得策ではない。
家庭を中心とする低圧の小売事業は各種の受付方法を用意する必要があるが、企業や自治体を対象とする高圧の場合には対面営業が基本である。高圧の小売事業で収益を確保するためには、受付時点の見積もり作業が非常に重要なポイントとなる(図3)。
見積もり件数が増加していくことを想定すると、案件の選別と見積もり処理を効率化するシステムの整備が欠かせない。特に見積もり業務のフェーズ管理は、他社情報の管理を含めて効率的に処理していく必要がある。次回は受付処理と一体の業務になる見積もり処理について詳しく解説する。
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