塩害対策パワコンを納入、再生可能エネルギー100%を目指すハワイ州に:太陽光
沿岸地域に近いところに太陽光発電所を設置する場合、パワーコンディショナーなどの機器には塩害対策が必要だ。東芝三菱電機産業システムはハワイ州オワフ島に建設される太陽光発電所向けに、塩害対策仕様のパワーコンディショナー17台を納入する。
東芝三菱電機産業システム(以下、TMEIC)は2016年8月22日、Eurus Energy Americaがハワイ州オワフ島に建設を計画している太陽光発電所向けに、パワーコンディショナーを受注したと発表した。
ハワイ州は世界の中でも再生可能エネルギーの導入を積極的に進めている地域の1つだ。同州はエネルギー源の大半を輸入した化石燃料に頼らざるを得ない状況で、これが電気料金の高騰につながっているという現状が大きな課題となっている。こうした背景から再生可能エネルギーの導入と省エネを積極的に推進しており、2015年には2045年までに州内の電力のすべてを再生可能エネルギーでまかなうという州法が成立している。
海に囲まれた島々で構成するハワイ州で太陽光発電所を建設する場合、その用地は沿岸部から近い場所になる。必然的にパワーコンディショナーなどには塩害対策が求められるが、これまでの対策では空調機付きエンクロージャー(筐体)内にパワーコンディショナーを設置するといった方法が一般的だった。
TMEICは今回、こうした塩害対策が求められる地域への設置に対応するパワーコンディショナー「SOLAR WARETM 1667」を17台納入する(図1)。同製品はヒートパイプと冷却ファンの併用によるハイブリッド冷却方式により、空調機レスを実現しているのが特徴の製品だ。2016年3月から販売を開始しており、電力変換効率99.0%といった高効率性を持ち、空調機レスによる導入コストと運用コストの削減にも寄与するとしている。
なお、Eurus Energy Americaは再生可能エネルギー事業を手掛けるユーラスエナジーホールディングスの米国法人。今回のTMEICがパワーコンディショナーを納入する太陽光発電所は、2016年秋頃に運転開始する予定だ。
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