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目視で見つけるトラブルの火種太陽光発電所のトラブル対策(1)(2/4 ページ)

今後ますます重要になっていく太陽光発電所の運用保守。しかし、具体的にどのような点に着目して取り組めば良いのだろうか。本連載では日本で太陽光発電所の運用保守事業を手掛けるアドラーソーラーワークスが、実際の事例を交えながらそのポイントを紹介していく。第1回は目視検査のポイントを解説する。

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目視検査のポイント

 太陽光発電所で目視検査を行う目的は、大きく以下の2点が挙げられる。

  • 設計資料との差異を目視の範囲で確認すること
  • 目視による施工、出来形における不具合を発見すること

 こうした目的に対し、具体的に点検を行うべき箇所としては、

  • 太陽電池・アレイ・架台
  • 接続箱・集電箱
  • パワーコンディショナ
  • その他(機器・配線)
  • 発電電力
  • サイト環境

などが挙げられる。

 例えば太陽電池モジュールに関して目視でチェックする点としては、受光面の汚れや変色、破損や焼損などがないか、サイト環境では樹木などの遮光物がモジュールに影響を与えていないかなどがある。またフェンスが発電所の外周をきちんと囲っているか、杭基礎に腐食や傾きがないかなども目視で検査できる項目である。

 目視検査を行う場合、SLD(Single Line Diagram、単線結線図)、レイアウト、仕様などの発電所に関連するドキュメントを事前に用意する必要がある(図1)。これをもとに現場で、実際の発電所と施工との整合性を確認していく。


図1 事前に太陽光発電所に関するドキュメントを用意する 出典:アドラーソーラーワークス

 検査を行う際の道具としては、カメラ、コンパス、ゲートキー、測定キット、などの機器を用意する。これを用いてチェックリストに従い、写真撮影やモジュールの角度の計測などを行っていく(図2)。


図2 検査に使う道具 出典:アドラーソーラーワークス

 目視検査で確認すべき箇所について、事前にチェックリストを作成する点も重要なポイントである。全員がチェックリストに沿って確認することで、点検者によって検査内容にばらつきが出てしまうのを防ぐためだ。誰が検査を行っても、同じ箇所を同じチェック項目、同じ検査レベルで判断することは非常に重要である。

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