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目視で見つけるトラブルの火種:太陽光発電所のトラブル対策(1)(4/4 ページ)
今後ますます重要になっていく太陽光発電所の運用保守。しかし、具体的にどのような点に着目して取り組めば良いのだろうか。本連載では日本で太陽光発電所の運用保守事業を手掛けるアドラーソーラーワークスが、実際の事例を交えながらそのポイントを紹介していく。第1回は目視検査のポイントを解説する。
高まる運用保守の重要性
太陽光発電所でさまざまなトラブルが発生していることを受け、経済産業省は2017年4月1日から施行される改正再生可能エネルギー措置法(改正FIT法)で発電所の運用保守に関する規制を強化する見込みだ。
太陽光発電所での問題点は、施工に起因するものも少なくないが、そもそもオーナーが初期品質を理解していないケースも多い。最初に発電所のコンディションを把握していないと、その後の定期点検で重大な不具合が見つかったり、転売時に予定していた金額よりも低く売却せざるをえなくなったりする場合もある。
太陽光発電所の検査にはさまざまな種類があるが、目視検査だけで分かることも非常に多い。まずは目視検査にて発電所の状況を確かめ、その後電気的な計測に移っていくのが望ましいだろう。次回は竣工検査におけるサーモグラフィックカメラを用いた検査について紹介する。
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