イタリア最大のショッピングセンター屋根に1.4MWのメガソーラー:太陽光
ソーラーフロンティアは、イタリアのミラノ市近郊にオープンしたショッピングセンター「Il Centro」の屋根に、このほど合計1.4MWのCIS薄膜太陽電池を設置した。同ショッピングセンターは、イタリア最大のショッピングセンターで、10万平方メートルを超える広大な敷地に約200店舗を擁している。
ソーラーフロンティアが今回設置した「Il Centro」におけるプロジェクトでは、出力170Wp(ワットピーク)の同社製ソーラーパネル8295枚が、Il Centroの屋根上に導入された。発電した電力は、商業施設の照明および空調設備に使われ、余剰電力は売電される。これにより、ショッピングセンターにおける一日の電力消費量の約50%を賄う(図1)。
ソーラーパネルを供給したのは、トスカーナ州フィレンツェに本社を置く販売代理店P.M. Service社で、施工を請け負ったのはING社。P.M. Service社は1999年に創業。再エネなどに関する製品およびサービスを提供することを目的として設立し、欧州およびアジアにおいて主要な太陽電池パネル製造会社およびインバーター製造会社との間で提携関係を構築している。
ING社は1990年代冒頭に設立後、現在は従業員30人を擁し、2015年の売上高は12百万ユーロに迫る。環境、水、エネルギーおよびインフラストラクチャの分野で多様なグローバルソリューションを提供し、過去25年の間に、約2000件の太陽光発電所を手掛け、100件以上の公共施設のエネルギー効率を改善した実績があるという。本社をトレヴィオーロに置き、支店をブラジル、チュニジアおよびアルバニアに設け、営業活動を展開している。
同プロジェクトについてING社のオーナー、ガブリエル・ジラルディ氏は、「環境負荷の低減を目指す当社のコミットメントを示すために、再生可能エネルギーを利用することは不可欠だ。今回は、シリコン系と比較して高い発電性能と品質を有するソーラーフロンティアのCIS薄膜太陽電池を採用した」と述べている。
ソーラーフロンティア・ヨーロッパのマネージング・ディレクター、ウォルフガング・ランゲ氏は「ミラノ周辺地域は、1平方メートル当たりの年間日射量が約1400キロワット時もあり、太陽光発電所の設置に理想的な環境だ。今回のプロジェクトでは、二酸化炭素排出量を毎年800トン以上削減できると同時に、上昇する電気料金の負担も低減できる」と環境保全および電力のコストダウンにつながることを強調した。
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