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エネルギーが無駄に捨てられている世界、IoTが解決する4つの課題省エネ機器(2/3 ページ)

フランスのシュナイダーエレクトリックは、ユーザーイベント「Life Is On Innovation Summit」を開催し、エネルギー供給の面から見て現在の世界は全ての面において非効率であることを強調。IoTにより全ての領域で革新を起こし効率化を実現していく重要性を訴えた。

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エネルギー産業を取り巻く4つのメガトレンド

 こうした社会環境が大きく変化する中で、エネルギー産業に対する4つのメガトレンドとして、シュナイダーエレクトロニックは「3D+E」を挙げる。「3D+E」とは「デジタル化(Digitized)」「脱炭素化(Decarbonized)」「分散化(Decentralized)」の3つのDに「電化(Electric)」を加えた、4つの傾向である(図3)。

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図3 シュナイダーエレクトリックが考えるエネルギー産業を取り巻くメガトレンド「3D+E」 (クリックで拡大)出典:シュナイダーエレクトリック

 電化製品の活用が増えることで2040年までにエネルギー需要は2倍が必要になるとされている(Electric)他、デジタル化が加速することで2020年までにインターネット接続機器は20倍以上に拡大する(Dizitized)。さらに建築物の82%の省エネ化、産業分野の半分以上の省エネ化が可能で経済的効果を秘めている点(Decarbonized)や、2040年までの新たなエネルギー投資の70%が再生可能エネルギーに向く点(Decentralized)などを示す。これらを「抜本的な解決に導くには、それぞれの領域での大幅な効率化が重要だ」(トリコア氏)と強調する。脱炭素化を実現するには、炭素を生み出すような活動を減らすことが重要となる他、分散化が進めばこれらを最適に組み合わせて1つの電力網となるように効率的に組み合わせるような取り組みが必要となる。

 こうした課題を一気に解決し“抜本的な効率化”を実現する手段がIoTであるというのだ。例えば、ビルは購入した電力と、実際に“効果的に使用できた”電力の間に80%もの差があり、80%が無駄に失われていることになる。これに対しトリコア氏は「従来はビルなど建築物のことだけで考えて、人の存在をつないで最適化できなかったため、大きな無駄を生み出してきた。人がいない環境を冷やし続けたり、明るくし続けたりということである。こうした無駄がIoTにより、解決できるようになってきた」と述べる。

 トリコア氏は「世界はまだまだ“非効率”だ」と強調し、シュナイダーエレクトリック本社ビルでは、IoTを活用することで、電力消費を4分の1にすることに成功した成果などを紹介する。「IoTを活用することでもっと世界は効率化できる」とトリコア氏は語っている。

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