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火力発電所にもIoTの波が押し寄せる、東京電力がGE製のシステムを導入IT活用(2/2 ページ)

世界の産業界に急速に広がるインターネットによる大量データ処理技術「IoT」が日本の大規模な火力発電所にも広がろうとしている。東京電力が米ゼネラルエレクトリックと共同で、千葉県で運転中の国内最大のLNG火力発電所にIoTを活用した設備管理システムを導入する計画だ。

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発電設備はGEと東芝の共同設計

 東京電力FPは東京湾岸を中心に15カ所の火力発電所を運営している。発電コストの低減に向けてLNG火力と石炭火力の高効率化を進める一方、コストの高い石油火力からLNG・石炭火力に設備を更新する計画を推進中だ(図4)。その中で富津火力発電所はLNG基地を併設して中核の役割を担っている。


図4 東京電力の火力発電所。出典:東京電力フュエル&パワー

 IoTを導入する4号系列の3基は2008年から2010年にかけて相次いで運転を開始した。東京電力FPが「MACC(More Advanced Combined Cycle、超先進複合発電)」と呼んでいる発電方式を採用して、国内のLNG火力では最高水準の58.6%の熱効率を発揮する(図5)。


図5 LNG火力発電の高効率化(画像をクリックすると拡大)。出典:東京電力フュエル&パワー

 高効率の火力発電設備をIoTで収集したデータで監視することによって、日々の需要に合わせた効率的な運用とトラブルの少ない運転体制を維持していく狙いだ。富津火力発電所の4号系列に採用したMACCはGEと東芝が共同で設計・製造を担当した(図6)。複合発電設備のうち、蒸気タービンを東芝、ガスタービンをGEが請け負っている。


図6 富津火力発電所4号系列の発電設備(上)と機器構成(下)。出典:東芝

 GEが開発したIoTシステムのPredixは他社の機器にもセンサーを設置して同じように管理できる。発電設備を構成する機器をテンプレートに登録して、データの処理方法をワークフロー・ツールで定義すると、センサーから集まる大量のデータを分析するシステムを構築できる仕組みだ。

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