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年間5000万羽の鶏の糞で発電、1万3000世帯分の電力を作る:自然エネルギー(2/2 ページ)
岩手県の鶏肉生産会社が鶏の糞を燃料にバイオマス発電を開始した。周辺地域で飼育する年間5000万羽を超える鶏の糞を集約して、ボイラーで焼却して蒸気で発電する仕組みだ。焼却後の灰にはリンやカリウムが多く含まれているため、農作物の肥料に再利用してバイオマス資源の循環を推進する。
糞の受け入れから発電まで一貫処理
人間や動物の排泄物を資源に利用するバイオマス発電では、微生物を使ってメタン発酵させてガスを作る方式が一般的である。この方式だと発酵の設備が必要になるほか、発酵時に熱を加える必要があるために多くのエネルギーを消費する。それと比べて鶏の糞を利用したバイオマス発電は通常の火力発電と同様の設備で済む利点がある(図4)。
十文字チキンカンパニーのバイオマス発電所では、周辺地域からトラックで運んできた鶏の糞を受入口から流し込み、クレーンとコンベアを使って焼却用のボイラーまで搬送できる仕組みになっている(図5)。
ボイラーで糞を燃焼した熱を使って、水から蒸気を発生させてタービンと発電機を駆動して発電する(図6)。と同時に糞を燃焼した後に排出する灰を回収して再利用することができる。鶏の糞を焼却した灰には、農作物の成長に必要なリンやカリウムを多く含んでいる。肥料として販売できるため、灰をフレコン(フレキシブルコンテナバッグ)に袋詰めする装置も備えた。
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