HEMSを使ったクーポン配信や見守りを容易に、事業者向け情報基盤を提供:電力供給サービス
クーポン配信や高齢者の見守りなど、HEMSで取得した家庭の電力利用情報を活用する新しいサービスに注目が集まっている。NTT東日本は、サービス事業者向けのプラットフォームサービス「HEMS情報コネクト」の提供を開始する。サービス事業者がHMES情報を活用した新サービスの開発をしやすくする狙いだ。
NTT東日本は、家庭などの電力利用情報(HEMS情報)を利活用したサービスを実現するためのHEMS情報利活用事業者向けプラットフォームサービス「HEMS情報コネクト」を、2016年10月14日から全国で提供開始する。
同サービスは、HEMSサービス提供事業者(HEMS機器、およびHEMSサービスを提供する事業者)からHEMS情報を集約し統一されたデータ形式に変換した上で、HEMS情報利活用事業者に提供するもの。これにより、HEMS情報利活用事業者は自社サービスにHEMS情報を利活用することができるようになり、HEMSサービス利用者に「高齢者見守り」「クーポン配信」「セキュリティ」といったサービスを提供することが可能となる。
また、HEMS情報利活用事業者が提供するサービスに対する情報提供の同意や申し込み・解約登録などHEMSサービス利用者からの情報取得に関わる各種手続きの支援機能も提供する。
NTT東日本は、2014〜2015年度にかけ、経済産業省の「大規模HEMS情報基盤整備事業」に参画し、HEMSの普及促進・経済性の高いエネルギーマネジメントの推進に貢献するとともに、HEMS情報を利活用した新しいサービスによる便利で快適な社会の実現を目指してきた。同基盤整備事業では、仕様の異なる複数のHEMSから収集した情報を、HEMS情報利活用事業者に提供するためのAPI標準化なども含め、情報基盤の整備・構築や、HEMSサービス利用者のプライバシー情報に配慮したHEMS情報の利活用環境の検討などを実施した。
同社ではこれらの取り組みを推進する中で、基盤整備事業に参画した事業者より「HEMS情報を利活用したサービスを提供したい」などの要望があったことや、電力自由化に伴う電力小売事業者の高付加価値サービス創出ニーズの高まりを踏まえ、基盤整備事業で積み重ねた技術・ノウハウを用いて同サービスの提供を開始することにした。
HEMS情報利活用事業者に向け提供するプラットフォームサービスの内容は、標準APIに基づき形式を変換したHEMS情報の提供、HEMSサービス利用者からの情報取得に関わる各種手続きの支援機能、HEMSサービス利用者への情報提供支援機能など。このうち、HEMSサービス利用者からの情報取得に関わる各種手続きの支援機能には、HEMS利活用サービス申し込み・解約登録支援、HEMS情報提供の同意に関する情報取得支援、HEMSサービス利用者が登録・変更する、ユーザー情報の提供などがある。なお、同サービスの利用には、インターネットVPN接続が可能な環境と、HEMS情報受信用サーバーが必要になる(図1)。
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