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トヨタが燃料電池バスを市場投入、東京で2017年春から運行開始:電気自動車(2/2 ページ)
トヨタが開発した水素で走る燃料電池バスの販売が、ついに2017年から始まる。最初の導入先として、東京都交通局が運行する路線バスとして利用されることが決まった。2台の燃料電池バスが2017年3月から運行する予定だ。
外部給電も実現、2020年までに100台を導入
FCバスは、非常時を想定した大容量の外部電源供給システムも搭載している。これは最高出力9kW、容量235kWh(キロワット時)の電力供給能力を備えており、災害などの停電時に、学校体育館などの避難所や家電の電源として利用できる。
トヨタはこれまでにFCバスの実用化に向け、試作車両を利用した公道での実証を複数行ってきた。2015年1月には愛知県豊田市内の路線バスで、同年7月から東京都内で都営バスの営業所を起点とした走行実証と、江東区の「東京都環境科学研究所」で外部給電の実証を行っている(図2)。
トヨタは2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都を中心に100台以上のFCバスの導入を予定している。さらに2018年からは新型のFCバスによる導入拡大を目指し、新車両の開発も進めているという。
今回、東京都交通局のFCバス導入は、国土交通省が実施している「地域交通グリーン化事業」の対象案件として採択されている。これは国土交通省が自動車運送事業者などに対して、電気自動車バス・タクシー・トラック、FCバス・タクシーなどの導入を支援する事業。FCバスの導入が採択されたのはこれが初となり、車両価格の2分の1が補助される。FCバスによる運行は、2017年3月からスタートする予定だ。
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