スタバのコーヒーの豆かすをバイオ燃料に、神戸市で実証:自然エネルギー
神戸市でスターバックス コーヒーの店舗廃棄物などをバイオマス燃料化する実証実験が始まった。コーヒーの豆かすを近畿大学が開発した製造装置で「バイオコークス」と呼ぶ固形燃料にして活用する。
神戸市、スターバックス コーヒー ジャパン(以下、スターバックス)、近畿大学の3者は、コーヒーの豆かすなどの店舗廃棄物、同市内の剪定枝などの廃棄物を原料とするバイオマス燃料を製造し、再生可能エネルギーとして循環利用する実証実験を行うと発表した。地域資源循環モデルを構築するための実現可能性調査と位置付け、2016年12月7日から実証実験を開始した。
神戸市では「環境貢献都市KOBE」の実現を目指し、事業系一般廃棄物排出量の削減に取り組んでいる。今回の実証はこの取り組みへの貢献を目的としたもので、同市内のスターバックス店舗から排出されるコーヒー豆かすやカップなどの店舗廃棄物、さらに市内の樹木の剪定枝などを原料を活用し、「バイオコークス」と呼ぶ固形燃料を製造する(図1)。
バイオコークスとは、稲わら、もみがら、間伐林、お茶かす、コーヒー豆かす、食品残さなどのバイオマスを原料とする固形燃料で、近畿大学バイオコークス研究所が2005年に開発した。光合成を行う植物資源を原料とするため、実質的なCO2排出量をゼロとして換算できる燃料として注目されている。近畿大学ではこのバイオコークスの製造装置も開発しており、今回の実証ではこれを利用する。
実証では効果的な資源の収集運搬システムの検討、バイオコークス製造における課題の調査、今後の活用先確保に向けた検討などを進める計画だ。さらに神戸市ではバイオマスを地域資源として循環する取り組みの実現可能性を検討し、将来的にごみ処理量やCO2排出量の削減を実現するだけでなく、こうした「地域資源循環モデル」を可視化することによって、市民の環境意識の醸成を図っていきたいとしている。
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