キユーピー、マヨネーズ工場に太陽光発電を導入:太陽光
マヨネーズやドレッシングなどで知られるキユーピーは、再生可能エネルギーの活用を進めている。今回新たに2カ所の生産設備に太陽光発電システムを導入。生産に利用する電力の約2%を再生可能エネルギーで賄う計算になる。
食品会社のキユーピーは、「五霞工場」(茨城県五霞町)と植物工場「グリーンファクトリーセンター」(福島県白河市)の2カ所の生産設備に、太陽光発電システムを導入すると発表した(図1)。
2011年の東日本大震災発生により原子力発電所が停止したことを受けて、日本のエネルギー政策は転換期を迎えた。2012年7月には「固定価格買取制度」が始まり、再生可能エネルギー供給のための設備投資が加速している。キユーピーグループでも、再生可能エネルギー普及に向けた取り組みを始め、2013年3月の「キユーソー流通システム(KRS)」、松戸営業所、伊丹第三営業所への太陽光発電の導入を筆頭に、現在8設備で年間約2500MWh(メガワット時)を発電中だ。これは、キユーピーグループ生産部門電力使用量の約1.1%にあたる。
今回、五霞工場とグリーンファクトリーセンターの設備が加わることにより、10設備の発電量合計は約4500MWhに増加する見込みで、生産部門の電力使用量のうち約2%を太陽光発電の電力で賄うことになる(図2)。
マヨネーズ・ドレッシングなどを生産する五霞工場の太陽光発電設備は、倉庫棟の屋上を利用したもの。発電面積は約2800平方メートル。2016年12月5日に発電を開始しており、発電出力約300kW(キロワット)、年間発電量は約330MWhを見込んでいる。EPC事業者は三菱化学エンジニアリング。
植物工場の敷地の一部を利用したグリーンファクトリーセンターの太陽光発電設備は、増設となる。今回は第一期工事分の約3倍の規模となり、発電出力約1500kW、年間発電量約1650MWhを見込む。稼働は2017年3月を予定している。EPC事業者はjuwi(ユーイ)自然電力である。
関連記事
- 食品廃棄物からバイオガスで発電、500世帯分の電力と温水・燃料を作る
大阪府で初めて固定価格買取制度の適用を受けたバイオガス発電プラントが運転を開始した。食品工場から大量に発生する廃棄物を1日あたり17トンも処理して、250kWの電力のほかに温水と燃料を作ることができる。発電プラントにはドイツ製のシステムを採用した。 - バイオガス発電で食品リサイクルへ、1日80トンの廃棄物から940世帯分の電力
毎日大量に発生する食品廃棄物を利用したバイオガス発電所の建設プロジェクトが静岡県の牧之原市で始まった。総工費18億円をかけてバイオガス発電設備と食品廃棄物の中間処理施設を建設する計画だ。地元の金融機関を中心に全額を民間企業が融資して、地域ぐるみで食品リサイクルに取り組む。 - アミノ酸から電力を作る、食品工場の副生物でバイオガス
味の素は佐賀市と共同で、調味料などを製造する工程で発生する副生物を利用したバイオマス発電の研究を開始する。アミノ酸を発酵させた液体から肥料を作る取り組みを応用して、メタンガスによるバイオマス発電の実用化を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.